ブラジル国籍の方の帰化申請|条件・本国書類・注意点
ブラジル人の帰化申請に必要な条件ブラジル国籍の方も、帰化申請の条件を満たし、法務大臣の許可を受けることで日本国籍を取得できます。2025年末、日本には約21万人のブラジル国籍の方が在留しており、その多くが永住者や定住者として安定した生活を送っています。そして、将来の安心やお子さまの教育、選挙権の取得などを見据えて、日本国籍の取得(帰化)をを検討する方が多くいらっしゃいます。帰化申請では、日本での在留期間だけでなく、仕事や収入、税金・社会保険の納付状況、交通違反、日本語能力などが総合的に審査されます。ここでは主な条件を簡潔にご説明します。各条件の詳しい内容については、帰化申請の7つの基本条件をご確認ください。帰化申請で確認される7つの基本条件日本での居住期間国籍法上は、原則として帰化申請まで引き続き5年以上、日本に住所を有していることが必要です。ただし、令和8年(2026年)4月以降では、日本社会への融和状況を判断するうえで、原則10年以上の在留実績が重視されています。日本人の配偶者や日本人の子などは、条件が緩和される場合があります。2.能力条件原則として18歳以上であり、日本とブラジルの両国で成人に達していることが必要です。未成年の子が父母と一緒に申請する場合などには、異なる取扱いがあります。3.素行条件税金、年金、健康保険料を適切に納めていることに加え、交通違反、犯罪歴、在留状況などが確認されます。本人だけでなく、配偶者や同居家族の状況が審査に影響することもあります。4.生計条件帰化後も日本で安定した生活を続けられることが必要です。申請者本人に収入がない場合でも、配偶者や同居家族の収入、預貯金などを含めて世帯単位で判断されます。5.重国籍防止条件日本は原則として重国籍を認めていません。ブラジルでは、2023年の憲法改正により、他国籍を取得しただけではブラジル国籍を自動的に失わない制度となっています。このため、帰化後のブラジル国籍に関する手続きは、申請時に国籍離脱宣誓書に署名をする取扱いとなります。6.思想条件日本国政府を暴力によって破壊することを主張する団体に加入していないことなどが条件となります。7.日本語能力当事務所が愛知県・岐阜県・三重県で確認している現在の法務局の運用は、申請受付後に日本語テストが行われます。会話ができる方でも、ひらがな、カタカナ、漢字、短い文章の読み書きについて、申請前から準備することが重要です。帰化申請の条件を詳しく確認したい方へ居住期間、生活の安定、素行、税金・社会保険、日本語能力など、帰化申請で確認される条件については、次のページで詳しく解説しています。帰化申請で確認される7つの基本条件帰化の条件は、在留資格、出国歴、仕事、ご家族、婚姻歴などによって判断が異なります。「日本に長く住んでいるから大丈夫」「永住者だから必ず帰化できる」と自己判断せず、現在の状況を確認してから準備を始めることが重要です。ブラジル国籍の方が準備する本国書類ブラジル国籍の方の帰化申請では、国籍、出生、父母との関係、婚姻・離婚などの身分関係を確認するため、ブラジルの証明書を提出します。主な本国書類は、次のとおりです。出生証明書(Certidão de Nascimento)出生証明書は、ブラジル国籍の方の帰化申請において、最も重要な本国書類です。本人の氏名、生年月日、出生地、父母や祖父母の氏名などが記載されており、本人の出生と家族関係を確認するとともに、帰化後の日本の戸籍を編製するための基礎資料として使用されます。帰化申請で提出する出生証明書は、申請者本人のものだけではありません。父母や兄弟姉妹との関係、申請者の出生順位などを確認するため、兄弟姉妹の出生証明書が必要になります。当事務所が愛知県・岐阜県・三重県の法務局で確認している現在の取扱いでは、申請者と同性の年上の兄または姉がいる場合、その方の出生証明書の提出が求められます。その他の兄弟姉妹について、どこまで出生証明書が必要になるかは、家族構成や申請先の法務局によって異なります。婚姻証明書(Certidão de Casamento)婚姻証明書には、夫婦の氏名、婚姻年月日、婚姻場所、父母の氏名、婚姻後の氏名などが記載されています。申請者が結婚している場合だけでなく、申請者の父母の婚姻関係を確認するため、父母の婚姻証明書も提出します。離婚の注記がある婚姻証明書(Certidão de Casamento com Averbação de Divórcio)ブラジルでは、離婚が成立すると、婚姻登録に離婚の事実が注記されます。帰化申請では、離婚年月日や離婚後の氏名などを確認するため、離婚の注記が記載された婚姻証明書を取得します。申請者本人だけでなく、父母に離婚歴がある場合にも、離婚の注記がある婚姻証明書を提出します。死亡証明書(Certidão de Óbito)死亡証明書には、亡くなった方の氏名、死亡年月日、死亡場所、婚姻状況、配偶者や父母の氏名などが記載されています。申請者の父母、配偶者、兄弟姉妹などが亡くなっている場合に、その死亡事実と家族関係を確認するために提出します。国籍宣言書(Declaração de Nacionalidade)国籍宣言書は、申請者がブラジル国籍を有していることを確認するための書類です。日本の帰化申請では、ブラジル国籍を証明する資料として使用します。2020年9月1日から、従来の国籍証明書に代わる書類として「国籍宣言書」が発行されています。国籍宣言書(Declaração de Nacionalidade)は、ブラジル国内のCartórioではなく、住所地を管轄する在日ブラジル総領事館へ申請します。最初にオンライン申請システム「e-consular」へ登録し、申請書、本人確認書類、出生証明書などの必要資料をアップロードします。領事館による内容確認が完了した後、案内に従って来館または郵送により手続きを行います。在名古屋ブラジル総領事館(国籍証明)家族関係を補足する陳述書ブラジル国籍の方の帰化申請では、父母が手書きで作成した陳述書を提出します。陳述書には、父母がいつ、どこで婚姻したのか、夫婦の間に何人の子供が生まれたのか、それぞれの子供の氏名や生年月日、出生地を記載します。陳述書を外国語で作成した場合は、日本語翻訳文を添付します。父母が高齢で、署名はできても文章を記入することが難しい場合は、父母から聞き取った内容を家族などが代筆し、その事情が分かる説明を付けることもあります。ブラジル人の帰化申請で特に注意すべき点国籍宣言書には本国転記が必要日本で生まれたブラジル国籍の方がブラジル領事館で出生登録をすると、領事館が発行する出生証明書を取得できます。しかし、領事館で出生登録をしただけでは、ブラジル国内の民事登録所へ自動的に転記されることはありません。ブラジル国籍の方の帰化申請では、国籍を証明する書類として国籍宣言書を準備します。在名古屋ブラジル総領事館で16歳以上の方が国籍宣言書を申請する場合、ブラジル国内の民事登録所が6か月以内に発行した出生証明書の原本が必要です。そのため、ブラジル国内の第一民事登録所(Cartório do 1º Ofício)へ転記されているかを確認することが重要です。領事館での出生登録と、ブラジル本国への転記は別の手続きになります。すでに転記されている場合は、ブラジル国内の民事登録所から新しい出生証明書を取得します。転記されていない場合は、先に本国への転記を行い、その後に出生証明書を取得して国籍宣言書を申請します。本国への転記から出生証明書と国籍宣言書の取得までには時間がかかるため、日本生まれの方は、帰化申請の準備を始める段階で転記の有無を確認することが大切です。なかむら行政書士事務所では、帰化申請をご依頼いただく方を対象として、ブラジル本国への出生登録の転記、本国書類の取得及び国籍宣言書の準備についてもサポートしています。ブラジル国籍の帰化事例ブラジル国籍/永住者男性 / 20代別居家族の問題と国籍宣言書日本生まれのブラジル国籍の永住者のお客様。日本に住む家族に問題がありましたが、世帯を別にしており家族の問題に本人は関与していないと判断され申請が可能となりました。お客様は日本生まれでブラジル本国に出生登記をしていませんでした。早速、本国登記を行いブラジル領事館で国籍宣言書を取得しました。その準備期間のため、約5ヵ月で受付となりました。お客様が法務局へ来庁したのは申請日の1回限り。申請受付から12ヶ月後に帰化の許可となりました。ブラジル国籍/定住者男性 / 20代遠距離の部分サポート遠方のお客様に出張相談。とても行動力のある方で自分の帰化を人任せにするのではなく、できることは自分でやりたいという思いがあり「部分サポート」を希望。ご依頼から2ヵ月と4日で法務局に申請。申請受付から10ヶ月と23日で無事に帰化の許可となりました。ブラジル国籍/永住者女性 / 30代家族別住所の同時申請ブラジル国籍の永住者のご兄弟。お二人の住所が異なりますが、同時申請を希望。事前に法務局で同時申請であることを伝えて準備を開始しました。お客様が来庁した初回相談日に無事に受付となり、8ヶ月と10日で無事に帰化の許可となりました。 当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。
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