フィリピン人の帰化申請|PSA出生証明書・必要書類|名古屋の行政書士
中村倫彦
中村倫彦

フィリピン国籍の方の帰化申請|条件・PSA出生証明書・注意点

フィリピン国籍の方も、帰化申請の条件を満たし、法務大臣の許可を受けることで日本国籍を取得できます。

 

帰化申請では、日本での在留期間だけでなく、仕事や収入、税金・社会保険の納付状況、交通違反、日本語能力などが総合的に審査されます。

なかむら行政書士事務所(Nakamura Gyoseishoshi Office) supports Filipino nationals residing in Aichi, Gifu, and Mie Prefectures with their applications for Japanese naturalization. We assist with reviewing the required documents, translating foreign-language documents into Japanese, preparing application forms and supporting documents, and navigating procedures at the Legal Affairs Bureau.

 

フィリピン人が帰化申請をするための条件

フィリピン国籍の方にも、他の国籍の方と同じ帰化条件が適用されます。
ここでは主な条件を簡潔にご説明します。各条件の詳しい内容については、帰化申請の7つの基本条件をご確認ください。

 

1.日本での居住期間

国籍法上は、原則として、引き続き5年以上日本に住所を有していることが条件とされています。
ただし、令和8年(2026年)4月以降の審査運用では、日本社会への融和状況を判断するうえで、原則として10年以上の在留実績が求められています。

 

一方、日本人の配偶者や子など、簡易帰化の条件に該当する場合は、居住期間に関する条件が緩和されることがあります。

 

フィリピンへの長期帰国や頻繁な出国がある場合は、日本での生活が継続していると認められるか、事前に確認する必要があります。

2.仕事と生活の安定

申請者本人または同居するご家族の収入によって、今後も日本で安定した生活を続けられることが必要です。

 

収入だけでなく、家賃、住宅ローン、借入金、扶養家族、フィリピンに住む親族への送金なども含め、世帯全体の収支が確認されます。

3.税金・年金・健康保険

住民税、所得税、年金、健康保険などを正しく期限内に納付していることが重要です。

 

フィリピンに住む親族を扶養親族として申告している場合は、親族関係書類や送金関係書類によって、扶養の事実を説明できるかが確認されます。

 

4.交通違反や法律違反

帰化申請では、交通違反を含め、日本の法律や社会のルールを守って生活しているかが審査されます。

 

軽微な違反が一度あるだけで必ず不許可になるわけではありませんが、短期間に違反を繰り返している場合や、悪質重大な違反がある場合は、すぐに申請はできません。

 

5.日本語能力

日常生活に必要な日本語の会話、読み書き、文章の理解が求められます。

 

愛知県・岐阜県・三重県では、申請受付後に日本語テストが行われます。会話ができる方でも、ひらがな、カタカナ、漢字の読み書きに不安がある場合は、申請前から準備することが大切です。

 

6.フィリピンの身分関係が確認できること

フィリピン国籍の方は、PSA発行の出生証明書、婚姻証明書、CENOMAR、Advisory on Marriagesなどによって、本人とご家族の身分関係を確認します。

 

パスポート、日本の戸籍や届出書類、PSA発行書類で、氏名、生年月日、父母の氏名、婚姻歴などが一致していない場合は、追加書類や説明が必要になります。

 

帰化申請の条件を詳しく確認したい方へ

 

居住期間、生活の安定、素行、税金・社会保険、日本語能力など、帰化申請の条件については、次のページで詳しく解説しています。

 

帰化申請で確認される7つの基本条件

 

帰化の条件は、在留資格、出国歴、仕事、ご家族、婚姻歴などによって判断が異なります。
「日本に長く住んでいるから大丈夫」「永住者だから必ず帰化できる」と自己判断せず、現在の状況を確認してから準備を始めることが重要です。

フィリピン国籍の方が準備する本国書類

フィリピン国籍の方が帰化申請をする場合は、PSA(Philippine Statistics Authority/フィリピン統計局)が発行する出生証明書、婚姻証明書、死亡証明書、CENOMAR、Advisory on Marriagesを準備して法務局に提出します。

 

ただし、すべての方が同じ書類になるわけではありません。本人や父母の婚姻状況、過去の離婚・再婚歴、兄弟姉妹の人数、日本とフィリピンにおける届出状況などによって、取得する書類は変わります。

 

PSAとは

PSAとは、Philippine Statistics Authorityの略称で、日本語では「フィリピン統計局」と訳します。
フィリピン国民の出生、婚姻、死亡などの民事登録情報を管理し、帰化申請で使用する各種証明書を発行している公的機関です。
以前はNSO(National Statistics Office/国家統計局)が証明書を発行していましたが、現在はPSAがその業務を引き継いでいます。

 

帰化申請では、原則としてPSAが発行した証明書を使用します。市役所などのLocal Civil Registrarが発行した証明書だけでは足りず、このPSAより取得した出生証明書に、フィリピン外務省の認証(DFAアポスティーユ認証)を受けて法務局に提出します。

 

出生証明書(Certificate of Live Birth)+DFAアポスティーユ認証

フィリピン人 帰化申請に必要な出生証明書(PSA発行)
出生証明書は、フィリピン国籍の方の帰化申請において、特に重要な本国書類です。

 

出生証明書には、本人の氏名、生年月日、出生地、父母の氏名、父母の婚姻状況などが記載されており、帰化許可後に日本の戸籍を作成するための基礎資料として使用されます。
本人の出生証明書にはDFA(Department of Foreign Affairs/フィリピン外務省)のアポスティーユ認証を付けて提出します。

 

帰化申請で提出する出生証明書は、申請者本人のものだけではありません。父母や兄弟姉妹との関係、申請者の出生順位などを確認するため、兄弟姉妹の出生証明書が必要になります。

 

当事務所が愛知県・岐阜県・三重県の法務局で確認している現在の取扱いでは、申請者と同性の年上の兄または姉がいる場合、その方の出生証明書の提出が求められます。
その他の兄弟姉妹について、どこまで出生証明書が必要になるかは、家族構成や申請先の法務局によって異なります。

 

DFAアポスティーユ認証

東海三県の帰化申請では、通常は本人の出生証明書にDFA(Department of Foreign Affairs/フィリピン外務省)のアポスティーユ認証を付けて提出します。

 

アポスティーユは、フィリピンで発行された公文書が正規の書類であることを、国外で確認できるようにするための認証です。

 

フィリピンのe-Apostilleが受付可能になりました

{電子アポスティーユ}
現在フィリピンでは、PSA出生証明書をはじめとする公文書について、オンラインでe-Apostilleを取得できる制度が導入されています。

 

これまで帰化申請では、PSA出生証明書に紙媒体のDFAアポスティーユを付けて提出する必要があり、制度導入当初はe-Apostilleが受け付けられない時期がありました。

 

しかし、令和8年(2026年)8月現在、帰化申請でPSA出生証明書にDFAのe-Apostilleを付けて提出できることを確認しています。

 

PSA証明書とアポスティーユの取得をサポート

フィリピン人 帰化申請に必要なDFAアポスティーユ認証

当事務所では、帰化申請の業務として

    フィリピン本国書類の取得
    DFAアポスティーユ認証の取得
    日本語翻訳

を行っております。

 

 

なかむら行政書士事務所では、フィリピンの出生証明書をはじめとする各種証明書について、DFAのe-Apostilleを付けた書類の取得代行に対応しています。

 

 

婚姻証明書(Certificate of Marriage )

フィリピン人 帰化申請に必要なPSA結婚証明書
申請者本人に婚姻歴がある場合は、PSA発行の婚姻証明書を取得します。
また、申請者と父母との身分関係を確認するため、父母の婚姻証明書を取得します。

 

婚姻証明書では、夫婦の氏名、婚姻年月日、婚姻場所、婚姻当時の年齢などを確認します。出生証明書に記載されている父母の情報と、婚姻証明書の内容が一致していることも重要です。

 

婚姻記録証明書(Advisory on Marriages/AOM)とは?

フィリピン人 帰化申請に必要な婚姻履歴
PSAに婚姻記録がある方については、Advisory on Marriages(AOM)が発行されます。
AOMには、PSAに登録されている婚姻記録が記載されます。現在の婚姻だけでなく、過去の婚姻歴を確認するためにも重要な書類です。

 

婚姻記録証明書の仕組み

この証明書は、独身証明書(CENOMAR = Certificate of No Marriage Record) を申請すると、婚姻歴のある方には 婚姻記録証明書(Advisory on Marriages(AOM)) が発行される仕組みになっています。

 

申請時の注意点

出生証明書が必要
婚姻記録証明書は、出生登録情報に基づいて発行されるため、申請時には出生証明書の情報が求められます。

 

独身証明書と婚姻記録証明書の違い

  • CENOMAR(独身証明書) → 婚姻歴がないことを証明
  • Advisory on Marriages(AOM)(婚姻記録証明書) → 婚姻歴がある人の婚姻記録が記載

 

死亡証明書(Certificate of Death )

フィリピン人 帰化申請に必要なPSA死亡証明書
申請者の父または母が亡くなっている場合は、PSA発行の死亡証明書を取得します。
配偶者が亡くなっている場合など、現在の婚姻状況を確認するために死亡証明書が必要になることもあります。

 

死亡証明書では、死亡した方の氏名、死亡年月日、死亡場所などを確認します。出生証明書や婚姻証明書と氏名の表記が異なる場合は、同一人物であることを説明する資料が必要になることがあります。

 

父母の陳述書

フィリピン国籍の方の帰化申請では、父母が手書きで作成した陳述書を提出します。

 

陳述書には、父母がいつ、どこで婚姻したのか、夫婦の間に何人の子供が生まれたのか、それぞれの子供の氏名や生年月日、出生地を記載します。
陳述書を外国語で作成した場合は、日本語翻訳文を添付します。

 

父母が高齢で、署名はできても文章を記入することが難しい場合は、父母から聞き取った内容を家族などが代筆し、その事情が分かる説明を付けることもあります。

 

本人の出生証明書とパスポートによる国籍確認

フィリピン国籍の方の帰化申請では、原則として、本人のPSA出生証明書とフィリピンのパスポートによって国籍を確認します。

 

フィリピン入国管理局(Bureau of Immigration)が発行するIdentification Certificate(身分証明書)という書類もあります。この書類は、フィリピン国籍の認定や再取得など、一定の手続きを行った方に交付されるもので、すべてのフィリピン国籍の方が通常所持している国籍証明書ではありません。また、日本の帰化申請において、一般的に国籍証明書として提出する書類でもありません。
そのため、通常のフィリピン国籍の方については、本人のPSA出生証明書とパスポートを提出し、国籍関係を確認する取扱いとなります。

 

 

フィリピン国籍の方の帰化申請で特に注意すべき点:離婚と再婚の問題

日本での安定した生活を目指すフィリピン国籍の方にとって、帰化申請は重要な手続きです。しかし、フィリピン独自の法制度、特に離婚に関する規定は申請手続きを複雑にする場合があります。

 

1. なぜフィリピンでは離婚ができないのか

現在世界で離婚を禁止している国はフィリピンとバチカン市国の2ヵ国のみです。フィリピンは、カトリックの教えが国全体に深く根付いているため、法律上、離婚制度が存在しません。結婚は神聖なものであり、夫婦関係は一生続くという考え方が強く守られています。このため、たとえ夫婦が長年別居していても、法的には婚姻関係が続いていることになり、婚姻を解消するには「アナルメント(婚姻の無効または取り消し)」という非常に厳格な手続きが必要となります。

 

2. 日本人と離婚したフィリピン人が再婚する際の注意点

日本で日本人と結婚していたフィリピン人の方が、日本の法律によって離婚することは可能です。日本の役所に離婚届を提出し、受理されれば、日本国内では法的に離婚が成立します。
しかし、日本で離婚が成立しても、それだけではフィリピン法上は婚姻関係が継続しているとされ、フィリピンでの婚姻関係は解消されません。

 

3. 再婚に必要な「離婚承認裁判(リコグニッション)」

フィリピン国籍の方が再び結婚する資格を得るためには、日本の離婚をフィリピンでも有効なものとして認めてもらうための「離婚承認裁判(リコグニッション)」という手続きが必要です。
この手続きは、日本の離婚がフィリピンでも有効であることを公的に認めてもらうためのもので、非常に複雑で時間と費用がかかります。

 

4. 複雑な事情を正直に申告することの重要性

過去の複雑な状況は、帰化申請の際に正直に申告することが不可欠です。
帰化申請の審査では、申請者やその両親の婚姻歴や家族関係が、日本の法務局によって慎重に確認されます。誠実でない対応や事実と異なる申告は、審査官の不信感を招き、帰化申請の不許可につながるリスクが高まります。

 

5. 専門家によるサポートの重要性

過去の婚姻・離婚歴に複雑な事情がある場合、自己判断で申請を進めるのは非常に危険です。
帰化申請の専門家である行政書士は、お客様一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、複雑な婚姻関係を合法的に整理するための最適な手続きを導き出すことができます。

 

 

なかむら行政書士事務所では、過去の婚姻・離婚歴に複雑な事情がある帰化申請を許可に導いてきた実績がございます。

フィリピン人同士の離婚手続きから、日本人との離婚承認裁判、フィリピン本国書類の取得まで、一貫したサポートを提供しております。

 

 

フィリピン国籍の帰化事例

フィリピン国籍/永住者
フィリピン国籍/永住者
男性 / 30代
身分整序後の帰化申請

フィリピン本国生まれの永住者のお客様。過去に他事務所で依頼されたものの、身分関係が複雑であったため手続が進まず、やむなく断念された経緯がありました。

当事務所では、まず帰化申請の前提となるご家族の身分関係の整理に着手し、フィリピン本国での必要な手続を実施しました。その上で、本国書類の取得、アポスティーユ認証、翻訳を一体的に進め、帰化申請が可能な状態まで整備しました。

法務局と何度も事前確認を行い受付までの期間が約6ヵ月掛かりましたが、お客様が法務局へ来庁したのは申請日の1回限り。無事に受付となりました。

 

申請受付から約12ヵ月後に帰化の許可となりました。

フィリピン国籍/永住者
フィリピン国籍/永住者
男性 / 30代
自己申請を断念

日本生まれでフィリピン国籍の永住者のお客様。

過去に自己申請を試みましたが、本国書類を揃えられずに断念されました。当事務所には本国書類の取得とアポスティーユ認証、翻訳を含めてのご依頼となりました。ご家族の本国書類の取得が非常に難航し、また申請前の転居により受付までに約6ヶ月もの期間が掛かりました。それでもお客様が法務局へ来庁したのは申請日の1回限り。

 

申請受付から約10ヵ月後に帰化の許可となりました。

フィリピン国籍/定住者
フィリピン国籍/定住者
男性 / 30代
スピード申請

フィリピン国籍の定住者のお客様。お客様ご自身で本国書類の準備を進め、法務局で申請予約をされていましたが、国内書類の取得や証明資料の準備、申請書の作成が進んでいなかったため、当事務所にご依頼いただきました。

次回申請日の予約が12日後に迫っていたため、この日に申請ができるようスケジュールを立て、迅速に申請書を作成し、無事受付となりました。

 

 

お客様が法務局へ来庁されたのは、帰化相談と申請日の2回のみ。

 

受付から12ヶ月後に、帰化の許可が下りました。

フィリピン国籍/永住者
フィリピン国籍/永住者
女性 / 30代
日本語テスト

フィリピン国籍の永住者のお客様。本国書類はお客様ご自身で準備されましたが、日本語テストへの不安を理由に、当事務所のフルサポートをご依頼いただきました。

 

テストは初回で見事に合格されました。その後、受付から12ヶ月後に帰化の許可となりました。

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