韓国籍の方も、国籍法に定められた条件を満たし、法務大臣の許可を受けることで日本国籍を取得できます。
韓国籍の方の中には、特別永住者として日本で生まれ育った方や、長期間日本で生活している方が多くいらっしゃいます。このような方は、日本での出生や居住歴などによって簡易帰化に該当し、住所条件が緩和される場合があります。
また、特別永住者の方は帰化の動機書が不要とされるなど、一部の提出書類について異なる取扱いがあります。ただし、特別永住者であることだけで帰化が認められるわけではありません。仕事や収入、税金・年金・健康保険の納付状況、交通違反を含む素行などは、通常の帰化申請と同様に確認されます。
韓国籍の方の帰化申請では、家族構成や韓国側の登録状況に応じて、家族関係登録簿の証明書と必要な範囲の除籍謄本を準備します。これらの書類によって、本人の出生、婚姻、離婚、養子縁組、父母や兄弟姉妹との関係などを明らかにする必要があります。
韓国籍の方が帰化申請をする場合も、国籍法に定められた基本条件を満たす必要があります。ここでは、主な条件を簡潔にご説明します。
特別永住者の方には、日本で生まれ育った方が多くいらっしゃいます。日本生まれの方が帰化申請をする場合は、国籍法第6条第2号に定められた簡易帰化に該当し、国籍法に定められた通常の「引き続き5年以上日本に住所を有すること」という住所条件が緩和されます。
具体的には、日本で生まれた方が、引き続き3年以上日本に住み、申請時に日本に住所を有している場合は、住所条件を満たします。
さらに、日本で生まれた本人の実父または実母も日本生まれである場合は、3年以上の居住実績は求められません。申請時に日本に住所を有していれば、住所条件の緩和を受けることができます。
ただし、緩和されるのは住所条件です。能力条件や素行、生計など、その他の帰化条件については通常どおり審査されます。また、特別永住者であることだけを理由に、直ちに帰化が許可されるものではありません。
日本の国籍法では、原則として18歳以上であり、かつ、本国法によって行為能力を有することが必要です。
韓国民法では19歳で成年に達するため、韓国籍の方の能力条件は原則として満19歳以上となります。
ただし、父母と一緒に帰化申請をする未成年の子や、日本人の配偶者など、国籍法上の特例に該当する場合は異なる取扱いとなることがあります。
税金、年金、健康保険料を正しく納付していること、交通違反や犯罪歴に問題がないことなどが確認されます。
申請者本人だけでなく、配偶者や同居家族、経営している会社の納税・社会保険の状況も確認されます。
申請者本人または同居するご家族の収入によって、今後も日本で安定した生活を続けられることが必要です。収入額だけでなく、家賃、住宅ローン、借入金、扶養家族、海外送金などを含め、世帯全体の収支が確認されます。
韓国籍の方が日本国籍を取得した場合、原則として日本国籍を取得した時点で韓国法上、自動的に韓国籍を喪失します。その後に行う「国籍喪失申告」は、すでに生じた国籍喪失を韓国側の家族関係登録簿等に反映させるための届出です。
駐日本国大韓民国大使館「国籍喪失申告」
日本国政府を暴力で破壊することを企てたり主張したりせず、そのような団体を結成したり加入していないことが条件となります。
特別永住者の方には、日本で生まれ、日本の小学校・中学校を卒業している方が多くいらっしゃいます。
当事務所が東海三県の法務局で確認している現在の取扱いでは、日本の義務教育を修了し、十分な日本語能力が確認できる方については、通常、日本語テストは行われていません。
ただし、日本語能力の審査自体が免除されるわけではなく、学歴や面談などを通じて、会話や読み書きの能力が確認されます。
帰化申請の条件を詳しく確認したい方へ
居住期間、素行、生計、税金・社会保険、日本語能力、簡易帰化の条件などの詳しい内容は、次のページで解説しています。
帰化の条件は一人ひとり異なります
在留資格、出国歴、仕事、収入、ご家族、婚姻歴などによって確認すべき事項は変わります。
「日本に長く住んでいるから大丈夫」「特別永住者だから必ず許可される」と自己判断せず、現在の状況を確認してから準備を始めることが重要です。
韓国では、平成20年(2008年)1月1日に従来の戸籍制度が廃止され、「家族関係の登録等に関する法律」に基づく個人別の家族関係登録制度が始まりました。
そのため、韓国籍の方の帰化申請では、現在の身分関係を確認する家族関係登録簿と、旧戸籍制度の身分関係を確認する除籍謄本を組み合わせて準備します。
必要となる家族関係登録簿の範囲は定められていますが、除籍謄本がどの程度発行されるのかは、届出状況などによって異なります。
基本証明書は、本人の出生、死亡、改名、国籍の取得・喪失など、個人の基本的な身分事項を証明する書類です。
帰化申請では、申請者本人の基本証明書を取得します。また、父母が2008年以降に亡くなっている場合は、死亡の記載を確認するため、父母の基本証明書も取得します。
家族関係証明書は、本人を基準として、父母、配偶者、子どもとの関係を証明する書類です。帰化申請では、申請者本人と父母の家族関係証明書を取得します。
本人の家族関係証明書には、兄弟姉妹は直接記載されません。兄弟姉妹との関係は、父母の家族関係証明書に記載された子どもの情報や、必要範囲の除籍謄本によって確認します。
婚姻関係証明書は、本人の婚姻・離婚に関する事項と、配偶者の情報を証明する書類です。帰化申請では、申請者本人と父母の婚姻関係証明書を取得します。
離婚歴や再婚歴がある場合は、その経過が日本の戸籍、届書記載事項証明書、住民票などの記載と一致しているかを確認します。
入養関係証明書は、本人の養子縁組、養父母、実父母、養子及び離縁に関する事項を確認する書類です。帰化申請では、申請者本人の証明書を準備します。
親養子入養関係証明書は、日本の特別養子縁組に近い親養子縁組について、実父母、養父母、親養子及び縁組の経過を確認する書類です。帰化申請では、申請者本人の証明書を準備します。
家族関係登録制度が始まる前の身分関係は、現在の5種類の家族関係登録簿の証明書だけでは確認できません。そのため、2007年以前の出生、婚姻、離婚、死亡、養子縁組、家族構成などを確認する資料として、旧戸籍制度の除籍謄本を取得します。
当事務所が愛知県・岐阜県・三重県の法務局で確認している実務では、父母の婚姻から2008年1月1日までの身分関係をたどれる除籍謄本の提出が必要となります。
申請者の出生後に父母が婚姻届を提出している場合などは、母の出生時まで遡る除籍謄本が必要になります。また、転籍、分家、戸主の変更などがある場合は、複数の除籍謄本を連続して取得しなければ身分関係を確認できません。
家族関係登録簿の証明書や除籍謄本は、日本国内の韓国大使館・総領事館で申請できます。愛知県・岐阜県・三重県にお住まいの方は、在名古屋大韓民国総領事館が主な申請先となります。
申請時には、本人確認書類のほか、対象者の氏名、生年月日、登録基準地、除籍謄本の場合は旧本籍や戸主の情報などが必要です。代理申請では、委任状や申請者と対象者との関係を証明する書類を求められます。
日本の市区町村へ出生、婚姻、離婚、死亡などの届出をしていても、その内容が韓国の家族関係登録簿へ反映されていない場合があります。
韓国側の登録が古いままでは、日本の書類と韓国の書類の内容が一致せず、帰化申請に必要な身分関係を説明できません。未申告の事項がある場合は、先に韓国側の届出や登録整理が必要になることがあります。
韓国書類、日本の住民票、在留カード、過去の外国人登録原票などで、氏名の漢字・ハングル・カタカナ表記、生年月日、父母の氏名などが異なることがあります。
表記の相違がある場合は、同一人物であることを説明する資料や申述書を準備し、必要に応じて登録内容の訂正を検討します。
除籍謄本は、1通だけで出生から2008年までの身分関係を確認できるとは限りません。転籍や分家がある場合は、前の戸籍へ遡り、父母の婚姻、申請者の出生、兄弟姉妹との関係が連続して確認できるように取得します。
韓国語で作成された証明書や除籍謄本には、日本語翻訳文を添付します。氏名、地名、身分事項、欄外の付記を省略せず、原文と対応するように翻訳することが重要です。
翻訳文には、一般に翻訳者の住所、氏名及び翻訳日を記載します。古い除籍謄本には手書き文字や旧字体が含まれることがあるため、読み間違いにも注意が必要です。
韓国書類は、取得する前に必要な人物・種類・期間を確認してください。先に一部だけ取得すると、後から父母の証明書や過去の除籍謄本を追加で取り直すことがあります。
なかむら行政書士事務所では、名古屋市を中心に、愛知県・岐阜県・三重県にお住まいの韓国籍の方の帰化申請をサポートしています。
帰化申請をご依頼いただく方を対象として、必要な家族関係登録簿・除籍謄本の範囲確認、韓国書類の取得準備、日本語翻訳、帰化申請書類の作成及び法務局での手続きを一貫して支援します。