バングラデシュ国籍の方も、国籍法に定められた条件を満たし、法務大臣の許可を受けることで日本国籍を取得できます。
法務省の統計によると、令和7年(2025年)に帰化を許可されたバングラデシュ国籍の方は229人です。
ただし、日本に長く住んでいるだけで帰化が許可されるわけではありません。仕事や収入、税金・年金・健康保険の納付状況、交通違反を含む素行、日本語能力などが総合的に審査されます。
また、バングラデシュ国籍の方の帰化申請では、本国の証明書を準備し、本人の出生、婚姻、親子関係、国籍などを明らかにする必要があります。書類の名称や記載内容は発行地域や家族構成によって異なるため、取得前の確認が重要です。
バングラデシュ国籍の方にも、他の国籍の方と同じ帰化条件が適用されます。ここでは主な条件を簡潔にご説明します。各条件の詳しい内容については、帰化申請の7つの基本条件をご確認ください。
国籍法上は、原則として、引き続き5年以上日本に住所を有していることが条件とされています。
ただし、令和8年(2026年)4月以降の審査運用では、日本社会への融和状況を判断するうえで、原則として10年以上の在留実績が求められています。
一方、日本人の配偶者や子など、簡易帰化の条件に該当する場合は、居住期間に関する条件が緩和されることがあります。
原則として18歳以上であり、日本法とバングラデシュ法の両方で成人に達していることが必要です。未成年の子が父母と一緒に申請する場合などには、異なる取扱いがあります。
税金、年金、健康保険料を正しく納付していること、交通違反や犯罪歴に問題がないことなどが確認されます。
申請者本人だけでなく、配偶者や同居家族、経営している会社の納税・社会保険の状況も確認されます。
申請者本人または同居する家族の収入によって、今後も日本で安定した生活を続けられることが必要です。
収入額だけでなく、家賃、住宅ローン、借入金、扶養家族、バングラデシュに住む親族への送金などを含め、世帯全体の収支が確認されます。
日本は原則として重国籍を認めていません。日本国籍の取得によってバングラデシュ国籍を失うこと、または本人の意思で離脱できることが原則的な条件となります。
日本国政府を暴力で破壊することを企てたり主張したりせず、そのような団体を結成したり加入していないことが条件となります。
日常生活に必要な日本語の会話、読み書き、文章の理解が求められます。
当事務所が愛知県・岐阜県・三重県で確認している現在の法務局の運用は、申請受付後に日本語テストが行われます。
会話ができる方でも、ひらがな、カタカナ、漢字、短い文章の読み書きについて、申請前から準備することが重要です。
帰化申請の条件を詳しく確認したい方へ
居住期間、素行、生計、税金・社会保険、日本語能力などの詳しい内容は、次のページで解説しています。
帰化の条件は、在留資格、出国歴、仕事、ご家族、婚姻歴などによって判断が異なります。
「日本に長く住んでいるから大丈夫」「永住者だから必ず帰化できる」と自己判断せず、現在の状況を確認してから準備を始めることが重要です。
帰化申請では、本人の出生、婚姻、離婚、家族関係、国籍などを確認するため、バングラデシュで発行された本国書類を準備します。
必要な書類は、申請者本人の婚姻歴、父母の身分関係、兄弟姉妹の人数、亡くなった家族の有無などによって異なります。

出生登録証明書は、申請者の氏名、生年月日、出生地、父母の氏名などを確認する重要な書類です。本人と父母との関係を明らかにし、帰化許可後に日本の戸籍を作成するための基礎資料として使用されます。
家族構成によっては、本人だけでなく兄弟姉妹の出生登録証明書も必要です。
当事務所が愛知県・岐阜県・三重県の法務局で確認している取扱いでは、申請者と同性の年上の兄または姉がいる場合、その方の出生登録証明書の提出が求められます。
その他の兄弟姉妹について、どこまで必要になるかは、家族構成や申請先の法務局によって異なります。

申請者本人に婚姻歴がある場合は、婚姻証明書を準備します。また、申請者と父母との身分関係を確認するため、父母の婚姻証明書を提出します。
婚姻証明書では、夫婦の氏名、婚姻年月日、婚姻登録日、住所などを確認します。出生登録証明書、家族関係証明書、パスポートなどに記載された氏名や生年月日と一致していることが重要です。
イスラム方式の婚姻では、婚姻契約書であるニカー・ナマが作成されます。帰化申請では婚姻証明書を中心に身分関係を確認しますので、必ずニカー・ナマの提出が求められる訳ではありません。
申請者本人または父母に離婚歴がある場合は、離婚の成立とその年月日を確認できる書類を準備します。離婚の方法によって、離婚証明書、離婚登録証明書、裁判所の判決書、通知書など、必要となる書類が異なります。
再婚している場合は、前婚の解消日と再婚日が前後していないか、各書類に記載された氏名や日付に相違がないかを確認します。

申請人とその父母、兄弟姉妹、配偶者、子供との関係を一覧で確認する書類です。
この家族関係証明書には氏名・生年月日(死亡年月日)・続柄・職業が記載されます。

申請者の父母、配偶者、兄弟姉妹などが亡くなっている場合は、その方の死亡登録証明書を準備します。
証明書には、亡くなった方の氏名、死亡登録番号、出生登録番号、死亡年月日、死亡場所、住所、父母や配偶者の氏名などが記載されます。死亡登録がされていない場合は、先にバングラデシュ本国で登録手続きが必要となることがあります。

国籍証明書は、申請者がバングラデシュ国籍を有することを確認する書類です。駐日バングラデシュ大使館へ申請します。
大使館の公式案内では、定型の申請用紙はありませんので、リクエストレターを添えて申請します。
通常は、有効なパスポートと在留カードの写し、手数料の支払を確認できる書類、返信用封筒などを添える郵送申請が案内されています。必要書類や手数料は変更される可能性があるため、申請前に大使館の最新案内を確認してください。
バングラデシュ国籍の方の帰化申請では、父母が手書きで作成した陳述書を提出します。
陳述書には、父母がいつ、どこで婚姻したのか、夫婦の間に何人の子供が生まれたのか、それぞれの子供の氏名や生年月日、出生地を記載します。
陳述書を外国語で作成した場合は、日本語翻訳文を添付します。
父母が高齢で、署名はできても文章を記入することが難しい場合は、父母から聞き取った内容を家族などが代筆し、その事情が分かる説明を付けることもあります。
出生登録証明書、婚姻証明書、家族関係証明書、パスポートなどで、氏名、生年月日、父母の氏名が一致していないことがあります。
表記の違いを見つけた場合は、単なる翻訳上の違いなのか、登録内容そのものに誤りがあるのかを確認します。訂正が必要な書類をそのまま取得し続けると、帰化申請の準備が大幅に遅れる可能性があります。
当事務所へご相談いただくバングラデシュ国籍の方は、バングラデシュの高校や大学を卒業した後に来日し、日本語学校から専門学校などへ進学した後、日本の会社へ就職するという経歴の方が多くいらっしゃいます。
日本で長く生活し、日本の会社で働いているため、多くの方は日常会話や仕事上の会話に問題はありません。しかし、会話ができることと、日本語を正しく読み書きできることは同じではありません。日頃から日本語を書く機会が少ない方にとって、帰化申請の日本語テストは大きなハードルとなります。
帰化申請の日本語テストでは、主に次のような問題が出されます。
会話ができるため「日本語テストも大丈夫だろう」と考え、日本語を書く練習を十分にしないままテストを受けると、思うような結果を出せないことがあります。
日本語能力が不足していると判断された場合は、申請の取下げを求められたり、最終的に不許可になる可能性があります。帰化申請の書類がすべて完成していても、日本語テストの結果によって申請を続けられなくなることがあるため、申請前から読み書きや作文の練習をしておくことが重要です。
なかむら行政書士事務所では、数多くの日本語テストに同行してきた経験をもとに、東海三県の法務局における出題内容や傾向を踏まえ、日本語テストに向けた勉強方法をお伝えしています。
住民税、所得税、年金、健康保険料について、未納がないことだけでなく、納付期限を守っていることが重要です。申請直前に未納分をまとめて支払えば、直ちに条件を満たすとは限りません。
納付の遅れがある場合は、一定期間、期限内納付を継続してから申請する必要があります。本国書類を集め始める前に、日本での公的義務の履行状況を確認してください。
なかむら行政書士事務所では、初回相談で日本語能力、税金・年金・健康保険の納付状況、在留歴、ご家族の状況を確認し、現在申請が可能か、申請前にどのような準備が必要かをご説明します。
バングラデシュ本国書類の確認、日本語翻訳、申請書の作成、日本語テストへの同行、申請から許可まで一貫してサポートしています。
技術系専門知識を取得し日本の企業で働くお客様、子供と一緒に帰化を希望し当事務所に依頼。本国書類を準備され当事務所が翻訳。同時に日本語テストのサポートを開始しました。
ご依頼から2か月と23日で申請受付となりました。
お客様が申請後に転居されたので、当事務所が追加書類を法務局に提出しました。申請受付から約9か月後に帰化の許可となりました。
技術系専門学校を卒業して日本の企業で働くお客様、奥さまとの二人暮らしで単独での帰化を希望し当事務所に依頼。
本人は日本語能力試験N1を取得されていたため、本来であれば日本語テストは免除となる予定でした。
しかし、法務局での受付時に日本語能力が十分でないと判断され、異例ではありますが日本語テストを受けることになりました。N1保持者がテストを受けるケースは非常に珍しいのですが、無事に初回受付となりました。
申請受付から約9か月後に帰化の許可となりました。
技術系専門学校を卒業して日本の企業で働くお客様。子供が生まれる直前で子供と一緒に帰化を希望し当事務所に依頼。子供のビザ関係手続、本国書類の手続きを行い、当事務所が翻訳。同時に日本語テストのサポートを開始しました。
子供の手続きと日本語テストの再チャレンジに時間を要したため、ご依頼から約9か月後に申請受付となりました。
申請受付から約11か月後に帰化の許可となりました。
