愛知一宮市のなかむら行政書士事務所です。遺言書の作成、遺産分割協議書の作成、相続手続きを扱っております。

相続の知識2

遺留分とは

遺留分

遺留分とは、法定相続人に保障される最低限度の取り分のことです。残された相続人の生活の安定や財産の公平な分配の為、一定の者に相続財産の一部分が保障されています。
保障の範囲は、故人の財産の2分の1に対しての法定相続分の割合が遺留分となります。

 

 

直系尊属のみが相続人の時は、故人の財産の3分の1に対しての法定相続分の割合が遺留分となります。
兄弟姉妹には遺留分はありません。

(例) 妻と子2人が相続人の時
妻:故人の財産2分の1×妻の法定相続分は2分の1=遺留分は4分の1
子1人当たり:故人の相続財産2分の1×子の法定相続分は4分の1=遺留分は子1人当たり8分の1

遺留分を侵害する遺言書(最低限の取り分が保障されていない!)であっても、その遺言書自体は有効です。権利を行使しない限り、遺留分の取得はできません。
遺留分を主張できる者(遺留分権利者)は、その権利を主張できる時から1年以内(相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈があった事を知った時から1年以内)に遺留分の権利を主張(遺留分減殺請求)をしないと、時効により請求できなくなります。
また、相続開始の時から10年を経過した時にも請求できません。

 

遺言書を作成する場合、この遺留分のことを考えて内容を決定することは重要です。
遺留分を侵害されている相続人が、その内容で納得するなら問題はありません。しかし、遺留分を主張するならば手続きが必要ですし期間も定められていますので、相続人にとっては大きな負担となる事が予想されます。

 

相続人には「なぜこの遺言内容なのか?」という疑問が残るかもしれません。
遺言書の中には、遺言者のお気持ちを書き残す「附言」を書き加えることができます。
通り一遍の要件を書き残すだけの遺言書ではなく、ご家族のお気持ちを考えた遺言書の作成も重要ではないでしょうか。


相続人が未成年者、認知症、行方不明のとき

未成年者はだめ

相続人の中に未成年者認知症の方行方不明者がいる場合、そのまま相続手続きはできません。
事前に他の手続きが必要となります。

 

相続人が未成年者の場合

相続人が未成年者の場合は、法定代理人(親権者等)が代わって遺産分割協議に参加します。
未成年者は単独では法律行為ができない(遺産分割協議書に実印が押せない)からです。
この時、未成年者とその法定代理人が共同相続人の場合は利益相反行為となるため、家庭裁判所に特別代理人の請求をしなくてはなりません。複数の未成年者の法定代理人となり、遺産分割協議に参加する場合も同じです。
(つまり、同じ相続人の地位にある者が代理人である事を利用して他の者の利益を害さないように、無関係の者を選んでくださいという事です。)
特別代理人の選任は、親権者または利害関係者が子の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。

 

相続人調査の中には、特別代理人の選任に必要となる書類の取得は含まれておりません。
別途ご相談ください。

 

相続人が認知症の場合

認知症

相続人の中に認知症の方がいる場合、遺産分割協議をするのか、法定相続をするのかを決める必要があります。

認知症の方がいる場合に遺産分割協議を行うと決めた場合は、家庭裁判所に成年後見の申立てを行います。
成年後見の申立により家庭裁判所が後見人を選任し、物事を正確に判断できない認知症の方に代わって遺産分割協議に参加します。

相続人の中に認知症の方がいる場合、遺産分割協議を行わずに、法定相続分に従い相続手続きを行うという方法もあります。

 

必ず成年後見制度を利用する必要があるわけではありません。

 

成年後見制度または法定相続を利用する場合、その特徴をしっかりと理解する事が重要です。

 

成年後見制度と法定相続のデメリット

成年後見制度のデメリット

  1. 後見人は、被後見人(認知症の方)の相続分が法定相続分より少なくなるような遺産分割協議には同意できません。
  2. 成年後見制度は、被後見人(認知症の方)の財産管理が目的なので、その財産が減少するような内容には同意できないのです。
    成年後見制度を利用し遺産分割協議を行うとしても、一定の制約があるということです。

     

  3. 後見人の選任は、家族が自由に決定できません。
  4. 家庭裁判所に対する成年後見の申立てには、後見人の候補者を記載できますが、必ず候補者が後見人になる訳ではありません。
    家庭裁判所の判断により、専門家である弁護士や司法書士が後見人になる場合もあり、その場合は月2〜6万円の報酬が必要になります。
    この報酬は、被後見人(認知症の方)が完治するするか、または亡くなるまで継続して支払う必要があります。
    原則として、途中で後見制度の取り止めはできません。

法定相続のデメリット

  1. 相続税が発生する場合には、遺産分割による、より良い相続税対策を選択する事ができなくなります。
  2.  

  3. 不動産については、法定相続分での共有状態となります。

 

相続人が行方不明の場合

行方不明者

相続人が行方不明だからといって、その人を無視して遺産分割協議はできません。
行方不明となっている相続人の調査を行います。
具体的には、本籍地で戸籍の附票を取得し、行方不明となっている相続人の住所の移動歴を調べます。

 

 

しかし、この調査で確実に現住所が確認できるわけではありません。
附票も戸籍と同様に改正され改正原附票となり保管されます。保管期間は5年であり、破棄されれば附票をさかのぼる事はできないからです。

 

この行方不明となっている相続人に対しては、家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申立または失踪宣告の申立を行います。
不在者財産管理人は、行方不明となっている者の財産管理を行う事が任務であり、家庭裁判所より権限外行為の許可を受けて遺産分割協議に参加します。
その為、行方不明となっている相続人の不利益となるような内容の遺産分割協議には家庭裁判所は権限外行為の許可を認めません。


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